鹿児島県霧島アートの森 開館20周年記念アートラボ
「つくるスポーツ/するアート」展
本展は,アーティストに犬飼博士と安藤僚子の2人を招へいし,鹿児島で48年ぶりとなる国⺠体育大会や全国障害者スポーツ大会の開催など,スポーツへの機運が高まる2020年の秋にスポーツとアートを包括し考える場を創出するため企画されました。その一方,2020年春以降に感染が拡大した新型コロナウイルスは,新しい生活様式の構築という急速な社会の変化を促し,予定したスポーツの祭典は開催時期や内容の見直しを迫られ,本展も企画内容の更新を行う必要に至りました。
そこで,壁に投影される過去の自分や家族,友達,動物などの走った記録と実際に「かけっこ」をすることができる装置として好評を博したメディアアート作品《スポーツタイムマシン》(文化庁メディア芸術祭鹿児島展 2015)の展示や,「入らなそうでギリギリ入る物体」を設計・製作し,それを任意の空間へ実際に入れてみる《搬入プロジェクト》の実施など当初企画した内容に加え,「つくるスポーツ」と「する(プレイする)アート」について取り組みを続ける2人のアーティストの視点をとおして,変化する社会に寄り添いつつ生み出されるスポーツとアートによる共創について考えるきっかけを創出します。
(鹿児島県霧島アートの森 ウェブサイトより)
写真:島崎智成
【関連事業】
◯10月4日(日)14:00〜 オープニングイベント :《搬入プロジェクト》デモンストレーション
搬入プロジェクトゲストアーティスト[石川卓磨/菅野広樹(悪魔のしるし),佐々木文美(FAIFAI)]
◯11月3日(火・祝)霧島アートの日 関連イベント
「スポーツ共創をやってみよう」(ワークショップ)
講師:犬飼博士(本展作家),岡村尚美(ゲスト講師)
「霧島アートの森からZINEを発信しよう」(ZINEづくり&交換ワークショップ)
講師:安藤僚子(本展作家)
「自然農法のワラでスポーツをつくってみよう」
講師:犬飼博士(本展作家),コラボレーター:内海順(湧水町自然農法家)
【展示概要】 ⑴ 社会状況の変化と企画構築の経緯 パンデミックによる社会の変化が,身体を用いた鑑賞を想定した本展の企画や社会の中のスポーツとアートにどのような影響を与えたのか,そしてどのように変化していくのかについて考える。 ⑵ 《スポーツタイムマシン》 2013年に誕生した《スポーツタイムマシン》は,山口,鹿児島,札幌,東京,香川と全国に展開し,参加者はこれまでに5千人超を数える。2014年には世界的なアートの祭典アルス・エレクトロニカのインタラクティブアート部門でオノラリー・メンション,2015年には第17回メディア芸術祭のエンターテインメント部門で優秀賞を受賞するなど高い評価を得ている。7年目の今なお愛される本作の再現を試みる。 ⑶ つくるスポーツ/するアート 「入らなそうでギリギリ入る物体」を設計・製作し,それを任意の空間へ実際に入れてみる《搬入プロジェクト》を複数のグループが挑戦する。本館の特徴である野外を生かしたサイトスペシフィックな展開を試み,「つくる」と「する」の2つの行為がもたらす表現の可能性を多くの人が体感するものとなる。